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文学男子(世阿弥先生・源隆国先生・芥川龍之介先生・太宰治先生)

イケメン文学男子ブーム到来中!芥川龍之介先生!たね子の憂鬱!本文!作品まとめ!作品解説

投稿日:2018年8月12日 更新日:

イケメン文学男子ブーム到来中!芥川龍之介先生!たね子の憂鬱!本文!作品まとめ!作品解説


 
このブログをご覧頂きありがとうございます!
文学に生きたイケメン文学男子達の作品を描いていきます。
今回は芥川龍之介先生のたね子の憂鬱です。

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☆イケメン文学男子シリーズ前回の作品です☆
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イケメン文学男子ブーム到来中!中原中也先生!早春散歩!一つのメルヘン!夏の日の歌!朝の歌!宿酔


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芥川龍之介先生 たね子の憂鬱 本文

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たね子の憂鬱 芥川龍之介 
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たね子は
夫(おっと)の
先輩に当(あた)る

ある実業家の令嬢の
結婚披露式(ひろうしき)の
通知を貰った時、

ちょうど
勤め先へ出かかった夫に
こう熱心に話しかけた。

「あたしも出なければ悪いでしょうか?」

「それは悪いさ。」

夫はタイを結びながら、
鏡の中のたね子に返事をした。

もっともそれは
箪笥(たんす)の上に立てた
鏡に映っていた関係上、

たね子よりも
むしろたね子の眉(まゆ)に
返事をした――のに近いものだった。

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「だって帝国ホテルでやるんでしょう?」

「帝国ホテル――か?」

「あら、御存知(ごぞんじ)なかったの?」

「うん、……おい、チョッキ!」

たね子は急いで
チョッキをとり上げ、
もう一度この披露式の話をし出した。

「帝国ホテルじゃ洋食でしょう?」

「当り前なことを言っている。」

「それだからあたしは困ってしまう。」

「なぜ?」

「なぜって……
 あたしは洋食の食べかたを
 一度も教わったことはないんですもの。」

「誰でも教わったり何かするものか!……」

夫は上着(うわぎ)を
ひっかけるが早いか、

無造作(むぞうさ)に
春の中折帽(なかおれぼう)を
かぶった。

それからちょっと
箪笥(たんす)の上の
披露式の通知に目を通し

「何だ、四月の十六日(じゅうろくんち)
 じゃないか?」と言った。

「そりゃ十六日だって
 十七日(じゅうしちんち)だって……」

「だからさ、まだ三日(みっか)もある。
 そのうちに稽古(けいこ)をしろと言うんだ。」

「じゃあなた、あしたの日曜にでも
 きっとどこかへつれて行って下さる!」

しかし夫は
何(なん)とも言わずに
さっさと会社へ出て行ってしまった。

たね子は夫を見送りながら、
ちょっと憂鬱(ゆううつ)にならずには
いられなかった。

それは
彼女の体の具合(ぐあい)も
手伝っていたことは確かだった。

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子供のない彼女は
ひとりになると、

長火鉢(ながひばち)の前の
新聞をとり上げ、
何かそう云う記事はないかと
一々欄外へも目を通した。

が、「今日(きょう)の献立(こんだて)」はあっても、
洋食の食べかたなどと
云うものはなかった。

洋食の食べかたなどと云うものは?

――彼女はふと
女学校の教科書に
そんなことも
書いてあったように感じ、

早速用箪笥(ようだんす)の
抽斗(ひきだし)から
古い家政読本(かせいどくほん)を
二冊出した。

それ等の本は
いつの間(ま)にか
手ずれの痕(あと)さえ
煤(すす)けていた。

のみならず
また争われない
過去の匂(にお)いを
放っていた。

たね子は
細い膝の上に
それ等の本を開いたまま、

どう云う小説を読む時よりも
一生懸命に
目次を辿(たど)って行った。

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「木綿及び麻織物洗濯(せんたく)。
 ハンケチ、前掛(まえかけ)、足袋(たび)、
 食卓テエブル掛、ナプキン、レエス、……」

「敷物。畳(たたみ)、絨毯(じゅうたん)、
 リノリウム、コオクカアペト……」

「台所用具。陶磁器類、
 硝子器(ガラスうつわ)類、
 金銀製器具……」

一冊の本に失望した
たね子は
もう一冊の本を検(しら)べ出した。

「繃帯(ほうたい)法。巻軸帯(まきじくおび)、
 繃帯巾(ほうたいぎれ)、……」

「出産。生児(せいじ)の衣服、
 産室、産具……」

「収入及び支出。労銀、
 利子(りし)、企業所得……」

「一家の管理。家風、主婦の心得、
 勤勉と節倹、交際、趣味、……」

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たね子は
がっかりして本を投げ出し、

大きい樅(もみ)の
鏡台(きょうだい)の前へ
髪(かみ)を結(ゆ)いに
立って行った。

が、洋食の食べかただけは
どうしても気にかかって
ならなかった。……

その次の午後、
夫はたね子の心配を見かね、

わざわざ彼女を
銀座(ぎんざ)の裏のある
レストオランへ
つれて行った。

たね子は
テエブルに向かいながら、
まずそこには彼等以外に
誰もいないのに安心した。

しかしこの店も
はやらないのかと思うと、
夫のボオナスにも影響した不景気を
感ぜずにはいられなかった。

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「気の毒だわね、
 こんなにお客がなくっては。」

「常談(じょうだん)言っちゃいけない。
 こっちはお客のない時間を
 選(よ)って来たんだ。」

それから夫は
ナイフやフォオクをとり上げ、
洋食の食べかたを教え出した。

それもまた
実は必ずしも確かではないのに
違いなかった。

が、彼は
アスパラガスに
一々ナイフを入れながら、

とにかく
たね子を教えるのに
彼の全智識(ぜんちしき)を
傾けていた。

彼女も勿論熱心だった。

しかし最後に
オレンジだのバナナだのの
出て来た時には

おのずから
こう云う果物の値段を
考えない訣(わけ)には
行(ゆ)かなかった。

彼等は
このレストオランをあとに
銀座の裏を歩いて行った。

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夫はやっと
義務を果した満足を
感じているらしかった。

が、たね子は心の中に何度も
フォオクの使いかただの
カッフェの飲みかただのと
思い返していた。

のみならず
万一間違った時には――と云う
病的な不安も感じていた。

銀座の裏は静かだった。

アスファルトの上へ
落ちた日あしも
やはり静かに春めかしかった。

しかしたね子は
夫の言葉に
好(い)い加減な返事を与えながら、
遅れ勝ちに足を運んでいた。……

帝国ホテルの中へはいるのは
勿論彼女には始めてだった。

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たね子は
紋服(もんぷく)を着た夫を前に
狭い階段を登りながら、

大谷石(おおやいし)や
煉瓦(れんが)を用いた内部に
何か無気味(ぶきみ)に近いものを
感じた。

のみならず
壁を伝わって走る、
大きい一匹の鼠さえ感じた。

感じた?
――それは実際「感じた」だった。

彼女は
夫の袂(たもと)を引き、
「あら、あなた、鼠が」と言った。

が、夫はふり返ると、
ちょっと当惑らしい表情を浮べ、

「どこに?……気のせいだよ」と
答えたばかりだった。

たね子は
夫にこう言われない前にも
彼女の錯覚(さっかく)に
気づいていた。

しかし
気づいていればいるだけ

ますます
彼女の神経に
こだわらない訣(わけ)には
行(ゆ)かなかった。

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彼等はテエブルの隅に坐り、
ナイフやフォオクを
動かし出した。

たね子は
角隠(つのかく)しをかけた
花嫁にも時々目を注(そそ)いでいた。

が、それよりも
気がかりだったのは
勿論皿の上の料理だった。

彼女はパンを口へ入れるのにも
体中(からだじゅう)の
神経の震(ふる)えるのを感じた。

ましてナイフを落した時には
途方(とほう)に暮(く)れるより
ほかはなかった。

けれども晩餐(ばんさん)は
幸いにも徐(おもむろ)に
最後に近づいて行った。

たね子は
皿の上のサラドを見た時、

「サラドのついたものの
 出て来た時には
 食事もおしまいになったと思え」と云う

夫の言葉を思い出した。

しかしやっと
ひと息ついたと思うと、

今度は三鞭酒(シャンパン)の
杯(さかずき)を挙げて
立ち上らなければならなかった。

それは
この晩餐(ばんさん)の中でも
最も苦しい何分かだった。

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彼女は
怯(お)ず怯(お)ず
椅子(いす)を離れ、

目八分(めはちぶん)に
杯(さかずき)をさし上げたまま、
いつか背骨(せぼね)さえ
震え出したのを感じた。

彼等はある電車の終点から
細い横町(よこちょう)を
曲(まが)って行った。

夫はかなり酔っているらしかった。

たね子は
夫の足もとに気をつけながら
はしゃぎ気味に
何かと口を利(き)いたりした。

そのうちに
彼等は電燈の明るい「食堂」の前へ
通りかかった。

そこにはシャツ一枚の男が一人
「食堂」の女中とふざけながら、
章魚(たこ)を肴(さかな)に
酒を飲んでいた。

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それは勿論
彼女の目には
ちらりと見えたばかりだった。

が、彼女はこの男を、

――この無精髭(ぶしょうひげ)を伸ばした男を
軽蔑(けいべつ)しない訣(わけ)には
行(ゆ)かなかった。

同時にまた自然と
彼の自由を
羨(うらや)まない訣(わけ)にも
行かなかった。

この「食堂」を通り越した後は
じきにしもた家(や)ばかりになった。
従ってあたりも暗くなりはじめた。

たね子は
こう云う夜(よる)の中に
何か木の芽の匂(にお)うのを感じ、

いつかしみじみと
彼女の生まれた田舎(いなか)のことを
思い出していた。

五十円の債券を二三枚買って

「これでも不動産(ふどうさん)(!)が
 殖(ふ)えたのだからね」などと

得意になっていた母親のことも。……

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次の日の朝、
妙に元気のない顔をした
たね子はこう夫に話しかけた。

夫はやはり
鏡の前にタイを結んでいる
ところだった。

「あなた、けさの新聞を読んで?」

「うん。」

「本所(ほんじょ)かどこかの
 お弁当屋(べんとうや)の娘の
 気違いになったと云う記事を読んで?」

「発狂した? 何(なん)で?」

夫はチョッキへ腕を通しながら、
鏡の中のたね子へ目を移した。
たね子と云うよりもたね子の眉(まゆ)へ。――

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「職工か何かに
 キスされたからですって。」

「そんなことくらいでも
 発狂するものかな。」

「そりゃするわ。
 すると思ったわ。
 あたしもゆうべは怖(こわ)い夢を見た。……」

「どんな夢を?
 ――このタイはもう今年(ことし)ぎりだね。」

「何か大へんな間違いをしてね、
 ――何をしたのだかわからないのよ。

 何か大へんな間違いをして
 汽車の線路へとびこんだ夢なの。
 そこへ汽車が来たものだから、――」

「轢(ひ)かれたと思ったら、
 目を醒(さ)ましたのだろう。」

夫はもう
上衣(うわぎ)をひっかけ、
春の中折帽(なかおれぼう)を
かぶっていた。

が、まだ鏡に向ったまま、
タイの結びかたを
気にしていた。

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「いいえ、
 轢(ひ)かれてしまってからも、
 夢の中ではちゃんと生きているの。

 ただ体は
 滅茶滅茶(めちゃめちゃ)になって
 眉毛だけ線路に残っているのだけれども、

 ……やっぱりこの二三日(にさんち)
 洋食の食べかたばかり
 気にしていたせいね。」

「そうかも知れない。」

たね子は夫を見送りながら、
半(なか)ば独(ひと)り言(ごと)のように
話しつづけた。

「もうゆうべ大しくじりをしたら、
 あたしでも何をしたか
 わからないのだから。」

しかし夫は
何(なん)とも言わずに
さっさと会社へ出て行ってしまった。

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たね子は
やっとひとりになると、

その日も
長火鉢(ながひばち)の
前に坐り、

急須(きゅうす)の
湯飲みについであった、
ぬるい番茶を飲むことにした。

が、彼女の心もちは
何か落ち着きを失っていた。

彼女の前にあった新聞は
花盛りの上野(うえの)の
写真を入れていた。

彼女はぼんやり
この写真を見ながら、
もう一度番茶を飲もうとした。

すると番茶は
いつの間(ま)にか
雲母(きらら)に似た
あぶらを浮かせていた。

しかもそれは
気のせいか、
彼女の眉にそっくりだった。

「…………」

たね子は
頬杖(ほおづえ)をついたまま、
髪を結(ゆ)う元気さえ起らずに
じっと番茶ばかり眺めていた。

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たね子の憂鬱 芥川龍之介 (昭和二年三月二十八日)

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芥川龍之介先生!たね子の憂鬱☆作品まとめ

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☆たね子の憂鬱(芥川龍之介先生)

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☆タイトル

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〇たね子の憂鬱(たねこのゆううつ)。

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☆作者

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〇芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)

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☆成立

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〇時代 昭和時代(しょうわじだい)

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☆ジャンル

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〇短編小説(たんぺんしょうせつ)

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☆初出

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〇「新潮」1927(昭和2)年5月

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☆収録

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〇「芥川竜之介全集第14巻」岩波書店(昭和30年(1955年))

〇それまで単行本未収録だった。

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☆豆知識

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〇「たね子の憂鬱」は、
 芥川龍之介の「歯車」という作品との
 関連性が見受けられる。、

〇「たね子の憂鬱」は、主人公である「たね子」が、
 社会の急速な変化によって
 憂鬱になっていく描写が特徴である。

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芥川龍之介先生!蜜柑。作品解説!

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〇芥川龍之介先生の蜜柑を
 更に詳しく解説していきます!!

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☆原題

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〇私の出遇った事

〇芥川龍之介は、仕事(横須賀の海軍機関学校教官)の通勤に、
 横須賀線列車を利用しており、
 その時の自分の体験を元にして「蜜柑」を描きました。

〇「私の出遇った事」というタイトルは、
 後に「蜜柑」というタイトルに変更されます。

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芥川龍之介先生について

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☆芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

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〇日本の小説家です。
〇芥川龍之介の作品の多くは短編です。
〇代表作には芋粥・藪の中・地獄変・歯車などがあります。

〇芥川龍之介の作品には
 今昔物語集・宇治拾遺物語など
 古典から題材を得た作品が多いです。

〇また、蜘蛛の糸や杜子春といった童話も書きました。

〇菊池寛は芥川龍之介の業績を讃えて
 芥川龍之介賞を創設しました。

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☆芥川龍之介先生の作品の特徴

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〇芥川龍之介の作品は短篇小説が有名です。

〇初期の作品には
 芥川龍之介(英文科出身)らしく、
 西洋文学を和訳した作品もあります。

〇小説の文章の構成も
 英文学の影響を受けています。

〇また、主に短編小説を描いていて、
 多数の傑作を生み出しました。

〇残念なのは、
 芥川龍之介は長編小説が苦手だったことです。
(邪宗門や路上などの未完作品があります)。

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☆芥川龍之介先生の作品の変遷

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〇芥川龍之介の
 初期の作品と晩年の作品は
 別人が描いたように違います。

〇この違いは、
 芥川龍之介が色々な作風の小説を
 描いたことに由来しています。

〇芥川龍之介の豊富な作風は
 大勢のファンを魅了しています。

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☆芥川龍之介先生の初期の作品

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〇説話文学をもとにした歴史小説が多いです。

〇代表作としては
 羅生門や鼻や芋粥などがあげられます。

〇そして、キリシタンの小説も書いています。

〇歴史物小説においては、
 人の内面やエゴイズムを描写した作品が多いです。

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☆芥川龍之介先生の中期の作品

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〇地獄変に代表される
 芸術至上主義的な作品が多くなっています。

〇芥川龍之介には珍しい長編小説(邪宗門)も書いています。

〇芥川龍之介の中期の作品は
 文学者達から評価されていないものが
 多くあります。

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☆芥川龍之介先生の晩年の作品

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〇芥川龍之介自身の人生を振り返ったり、
 人の生死に関係する小説が多いです。

〇初期の作品よりも、
 晩年の作品を評価する文学者も多いです。

〇大道寺信輔の半生や
 点鬼簿などの告白的な自伝も描いています。

〇この時期の代表作は河童です。

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